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光学とAIの融合から新たな価値を ~IODが挑むAI事業のグローバル展開~

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光学とAIの融合から新たな価値を ~IODが挑むAI事業のグローバル展開~
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    CBC株式会社「インダストリアル オプティクス デパートメント」は、 産業用レンズ専門メーカーとして既存の事業基盤を固める一方で、AI製品の販売や共同開発を推進。市場へ、多岐にわたる価値を提供しています。

    今回は、同部門が現在新たに力を入れているAIソリューション事業について詳しくご紹介します。

    光学レンズの先を見据えた、新たな2つのAI事業

    主に産業用レンズをはじめとした光学機器を取り扱う、CBCのインダストリアル オプティクス デパートメント(以下、IOD)。
    現在、お客様に向けた価値提供の取り組みとして、AIソリューションの開発・販売活動を展開しています。

    現在IODが取り扱うAIソリューションは、大きく2つ。1つ目は、セキュリティ領域に特化した高性能エッジAIoTゲートウェイの「AI BOX」。既存の一般的な監視カメラに接続することで、監視システムにAI機能を「外付け」できるソリューションです。

    2つ目は、工業向けのAIによる画像処理ソフトです。組立工程や検査工程など、モノづくり現場における画像処理に活用されています。それぞれのソリューションについて、IODではどのような事業が展開されているのでしょうか。

    つなぐだけで、監視カメラのAIoT化を実現する「AI BOX」

    AI BOXは、既存の監視システムに接続するだけで利用できるAIソリューションです。

    AIシステムに対応していない一般的なカメラでも、この製品と連携させることで、AIによる画像分析機能を付加できます。侵入検知といったセキュリティ用途に加え、建設現場の安全確認、人流・物流の管理など、約60種類のアプリケーションが使用可能です。
    開発は、韓国のソフトウェアメーカーと、CBCが共同で実施。CBCは、システム開発とその販売活動を担当しています。

    ヨーロッパでAI BOXの前身となる製品を取り扱っていた経験をもとに、お客様のニーズを的確に把握し、開発へフィードバックを行うことで精度向上に寄与。その後は、長年にわたり信頼を築いてきたセキュリティブランド『Ganz』の製品として、AIBOXを販売しています。

    AI BOXの大きな強みは、既存のカメラや監視システムを刷新することなく、後付けで監視システムをAIoT化できる点にあります。人や車などの物体検出・侵入検知、人数カウントや安全確保に向けた異常行動の検知といった分析機能が、どんなカメラでも利用できるようになるのです。

    加えてAI BOXが優れているのは、その本体のサイズ感。通常であれば大型のPCサーバーが必要になるソリューションですが、機能を監視用途に絞ることで小型化し、片手で持ち上げられるほどのコンパクトなサイズ感にまとめました。この2点から「省コストでもAIソリューションの恩恵を受けられる」と、お客様からも好評なのだとか。
    また、その検知精度の高さもAI BOXがお客様から支持される理由の1つです。

    従来の監視カメラおよびAIの画像分析では、木の揺れや動物に反応してしまい 、誤検知が多いという課題がありました。しかしAI BOXは両ソフトウェアメーカーの研究と開発により、人や対象物を判別する精度が向上。遠隔監視における信頼性が大きく高まりました。警備会社や施設管理の現場からも、AI BOXの精度が高く評価されています。

    導入の広がりはセキュリティ分野にとどまりません。世界的な大手スポーツブランドもAI BOXを採用。店舗での顧客動線の分析や、出店候補地の選定といった、小売分析やマーケティング分野でも活用が進められています。日本では、政府機関がセキュリティレベル向上のための導入を検討しているのだとか。

    現在AI BOXでは、セキュリティ企業と連携し、万引き防止を目的とした新しいアプリケーションの開発にも取り組んでいます。AIBOXそのものの性能に加え、新たな市場へのアプローチもあり、販売台数を順調に伸ばしています。

    製造現場の検査をスムーズにする、Aqrose社のAI画像処理ソフト

    Aqrose logo 並行して事業展開している画像処理ソフトは、製造現場に特化した、高度な「画像処理AIソリューション」。同社のAIソフトは、膨大なデータを基盤に構築され、高精度な検査が可能になっています。

    このソフトウェアを開発したのは、中国のソフトウェアメーカー「Aqrose社」です。中国トップの国立大学・清華大学のAI研究所出身メンバーによって2017年に創業された同社。創業以来、製造現場において豊富な導入実績を重ね、中国国内でも高い評価を得ています。
    CBCがAqrose社と接点を持ったきっかけは、CBC中国が同国内でAIを使った画像検査のベンチャー企業を調査するなかで、Aqrose社との関係ができたことでした。

    その後、Aqrose社の海外展開意欲とCBCの販路・顧客基盤が合致し、パートナーシップ契約を結ぶことに。現在IODは、Aqrose社の日本国内における販売代理店として、同社製品の販路拡大や市場認知度の向上に取り組んでいます。

    同社によるソフトウェアは、ピクセルサイズでの欠陥検出を実現し、推論速度も速く、少量サンプルで高い検出率を発揮します。

    さらに、欠陥サンプルの収集が困難な現場においても、AIを活用して精度の高い欠陥サンプルを生成することが可能。
    加えて、ルールベースやAIベースの既存画像処理ソフトと同社の技術を組み合わせることで、検査精度を一段と向上させるソリューションも提案しています。

    このように、多様な課題に対し柔軟にソリューションを提供できる点が、Aqrose社の大きな強みなのです。

    なお、CBCにおいて製造現場向けAI検査ソリューションを取り扱うのは、本製品が初めて。CBCにとっても新たな取り組みであり、今後の事業展開に大きく寄与することが期待されます。

    Aqrose社の特徴について、「ソフトウェアの検出精度の高さだけでなく、さらに精度を高めていくための体制があること」とIOD担当者は語ります。誤検知の原因を分析し、改善へとつなげる仕組みが整っていることは、今後AI導入を進めていくにあたって、欠かすことができない重要なポイントのひとつなのだとか。

    近年、AIシステムを活用の中で課題になりがちなのが「AIのブラックボックス化」です。これは、AIに高度な分析・処理を任せるようになった結果、「AIがその判断をした理由や背景を、人間が理解できない」状態のこと。検査機器でも「AIが誤検知をしたが、どうしてその判断をしたのかがわからない」というケースが起きることがあります。

    Aqrose社は、AIの誤検知が発生した場合、その原因を分析。システムの改善をしながら顧客にフィードバックすることで、こういったAI活用の課題へ取り組んでいます。まだAIに対して不安を感じているお客様が少なくない中、AIソリューションをより浸透させていくためには、こういった「信頼を構築していく」取り組みが必要なのです。

    商社マインドを原動力に、AI事業のグローバル展開を目指す

    AI BoxやAqrose社のAIソフトといったAIソリューションの販売は、これまで産業用光学製品を中心に事業を展開してきたIODにとって前例のない挑戦です。しかし、この取り組みに対してIOD担当者は「商社として、必要なものである」だと語ります。

    AIによる画像処理は、監視分野にとどまらず、店舗運営やマーケティング、現場の安全性向上など幅広い領域で需要が拡大しています。CBCとしても、お客様から「画像処理ソフトウェアを求める声」を直接聞く機会が増加中。そういった市場のニーズを受けた事業領域の拡大は、商社として「取り組むべき事業」だと考えました。

    またこれらAI事業は、それぞれの営業現場でも、お客様の新鮮な反応を得られているといいます。展示会や営業活動の場でAIソリューションを紹介すると、「CBCがソフトウェアを扱っていること」に驚かれる一方で、「まさにこういうものを探していた」と話すお客様も。新たな市場での新規顧客の開拓に、手応えを感じています。
    Business handshake in the office 一方の日本国内では展示会への出展を重ね、ソリューションの認知度向上に取り組んでいます。

    一般的な海外企業が日本で販売活動を展開するにあたり、乗り越えなければならないのが、日本企業が抱く「心理的なハードル」です。言語の壁や海外製品の信頼性に対する不安があり、本国で十分な実績があっても、海外企業の製品導入を見送る日本企業は少なくないのだとか。

    しかし、そこにCBCが携わることで、こうした懸念点を和らげることができます。海外のやりとりをスムーズにするだけでなく、国内の販売会社として製品の品質を担保できれば、日本企業の製品購入に対するハードルもだいぶ下がるでしょう。こうした販売窓口としての活動を通して国内の認知を広げていくことも、CBCの大きな役割なのです。
    今後は、CBCが長年築いてきた販路を活かしながら販売・マーケティングを展開し、国内にとどまらずグローバル展開も視野に入れています。現在はヨーロッパをはじめ、アメリカやインドといった注力市場へ活動を広げているところです。

    IODとしては、AI事業を「レンズに次ぐ新たな柱」と位置づけ、今後も拡大を進めていきます。

    将来的には、AIソフトウェアとレンズやカメラなどの光学機器を組み合わせ、トータルソリューションとして提供できる仕組みの構築も目指しています。光学とAIの融合から新たな価値を生み出すことは、CBCだからこそ実現できる強みをさらに広げる取り組みとなるでしょう。

    CBCの歴史において、最初にメーカー機能を備えたのは産業光学事業でした。そして今、IODは新しい挑戦としてAI・ソフトウェアを携えた事業を展開しています。こういった「製品とソフトウェア」を組み合わせた取り組みが、将来のCBCの新たなスタンダードとなっていくかもしれません。

    文=スギモトアイ/取材・編集=伊藤 駿(ノオト)

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