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CBCでは、お客様への価値創造の一環として、タレントマネジメント事業への取り組みを進めています。
CBCによる合弁会社であり、女性を中心にしたキャリア支援や企業に向けた研修事業などを展開するのが、「Career Bloom(キャリアブルーム)株式会社(以下、Career Bloom)」です。企業や働く人の「サステナブルな働き方 」実現を目標として掲げ、次世代のキャリア課題に取り組んでいます。
今回はCareer Bloom代表の篠崎と、Career Bloom取締役でありCBC株式会社 新規開発営業部門責任者の小倉 に、同社の事業内容やCBCと事業に取り組むようになった経緯について伺いました。
人材不足解消に向け「もったいない人材」に光を当てる
CBCによるタレントマネジメント事業立ち上げのきっかけとなったのは、CBCに寄せられた「人手不足に悩んでいる」というお客様の声でした。
CBCのニュービジネス担当として、新規事業の構想を練っていた小倉。たくさんのお客様からの「本当に人手が足りない 」という声を耳にするなかで、「既存のお客様を起点とした人材支援が、CBCの新しいビジネスになり得るのでは」と考えるようになったといいます。
今後、人口減少が進む日本で「労働人口の確保」に取り組むのであれば、考えられる方法は大きく3つ 。ひとつが、海外から人材を迎え入れること。そして、高齢者が定年退職以降も働けるようにすること。最後が、女性が働き続けられる環境を整えることです。
その中から女性人材の支援を目的にした事業を展開するため、事業パートナーとして名前があがったのが篠崎でした。自ら新しく事業を立ち上げようとしていた篠崎と、事業パートナーを探していたCBC。両者のタイミングが合い、Career Bloomが設立されました。
Career Bloomが掲げる目標のひとつが、「もったいない人材に光を当てること」です。「もったいない人材」とは、ビジネスの世界に眠っている、「働きたいのに、働けていない」「能力があるのに、その力を発揮できていない」人のこと。
この「もったいない人材に光を当てる」という目標が掲げられたのは、篠崎の過去の経験が大きく影響していると言います。
かつて広告制作会社や保険会社で営業として、同時に女性人材の採用や育成、DE&I推進にも携わっていた篠崎。ライフイベントを迎える多くの女性と接点を持つ中で、「彼女たちが、自身の価値を十分に届けられていない」と感じる場面を度々目にしてきました。その意志があるにも関わらず女性たちが「働き続けられない」背景には、構造的な課題があることに気付いたそうです。
- 篠崎
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これまで、能力はあるのに家庭の都合でキャリアを継続できない方や、結婚や出産を機にキャリアの最前線から離れてしまう女性を見てきました。もちろんご本人の希望であることもありますが……。 『もっと仕事を頑張りたかったんだけどね』という声も、数えきれないほど聞いてきたんです。
こうした「もったいない人材に光を当てる活動」について、篠崎は「それに取り組むことが、私のミッションだと思った」と語ります。
- 篠崎
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女性の働き方への違和感は、これまでは見過ごしていたものでも、一度気づくと『あれも、これも』と急に課題が見えるようになるんです。だったら自分が変えられるところから変えていきたい、そう思うようになりました。1人では到底成し遂げられないと感じていた時に、CBCとタイミングが合ったことが、Career Bloomをスタートさせる大きなきっかけになりました。
タレントロスの解消に、企業と個人の両輪から目指す
Career Bloomの事業展開を通して取り組んでいるミッションが、「タレントロスの解消」です。
これは篠崎が考案した、「タレント(才能)」と「ロス(損失)」を組み合わせた造語。環境や制度の壁でキャリアを継続できなかった「もったいない人材」に光を当て、それぞれが力を発揮し、キャリアを開花させてほしい。そんな思いのもと、個人向けと企業向けのサービスを通して、タレントロス解消に取り組んでいます。
個人向けに展開しているのが、女性をメインターゲットにした転職支援サービス「キャリアブルーム JOBS」。に向け、転職を通じて、新しい環境へ踏み出すサポートをしています。
一方、企業向けサービスの「キャリアブルーム BUSINESS」では、女性の働き方に関する研修をはじめとしたサービスを展開。サステナブルな働き方を目指す企業に伴走し、女性社員向け研修の企画から社内のリサーチやコンテンツ制作、さらには社内外への発信支援までを包括的に提供しています。
その大きな特徴は、単なる研修にとどまらず、新しい制度を定着させ、その様子を情報発信するなど、意識変革から定着とブランディングまで、一気通貫で伴走支援を行うことです。
- 篠崎
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研修を行っている会社は多いですが、それだけではサステナブルな働き方は根付きません。私たちが取り組み推進のパートナーとなって、研修の実施から制度作成、ブランディングと一体で進めています。女性社員の定着・比率向上・躍進までをすべてサポートできるのはCareer Bloomの強みだと思います。
こうした事業展開において、CBCが担当しているのは同社の営業活動。商社やメーカー、スタートアップ企業など、CBCが持つ幅広いネットワークを活かし、人手不足に悩むお客様へ、新しいソリューションとしてCareer Bloomのサービスを提案。お客様が抱える人材課題に対し、より具体的な解決策を提示できるようになっています。
女性が働きやすい環境を整えるため企業への伴走支援をし、同時に個人に向けた転職支援をすることで、「もったいない人材」が整った環境で力を発揮できるように。企業向けと個人向けの支援を循環させ、タレントロスの解消を目指すのが、Career Bloomによるタレントマネジメント事業です。
- 篠崎
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私たちの支援を受けた方の転職先が、もし環境が整っていない会社だったらとても残念ですよね。タレントロスを無くすには、個人が頑張るだけでなく、会社も変わらなければいけないんです。1人でやっていたら片方で精一杯だったので、CBCさんの支援があってこそ、『企業と個人』その両方に関われているのだと思っています。
悩みに寄り添って、課題一つひとつへ丁寧に向き合う
2024年6月の創業以降のCareer Bloomの取り組みのなかで、篠崎と小倉は「職場と働く人が抱える個々の課題と向き合い、解決することの難しさ」を強く感じているといいます。
職場には、性別や出身、育った環境まで、様々なバックグランドを持った人が集まります。顕在化している課題は近いものであっても、その解決策や根本にある問題は、職場によって異なるもの。全ての職場と課題に対して有効な施策、つまり「タレントロス解消の特効薬」は存在しないのです。
職場の課題に対して、企業は「把握しているものの、手の付け方がわからない状況にある」と、小倉は分析します。
- 小倉
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課題に取り組まないといけないことはわかっていても、何からやればいいのかわからないのだと思います。社内でアンケートを取るなどして課題がわかっても、解決の方法がわからないので、そこで手が止まってしまう。加えて、人手不足でそこまで手が回らない企業も少なくないのかもしれません。
例えば、企業変革に向けた部署を立ち上げても、関係者はいずれも他部署と兼務している会社も少なくないのだとか。本業に圧迫されて取り組みの優先順位を下げざるを得ない環境も、「やるべきだが、できない」要因のひとつだと考えられます。
そういった困難に対して、Career Bloomとしてできるのは、企業や周囲の人への働きかけを「コツコツ続けること」だと篠崎は語ります。課題すべてをたちまちに解決できる方法が無いからこそ、大事になるのが「個々のお客様に寄り添う」こと。そして、たくさんある悩みの一つひとつに、時間をかけて向き合っていくことなのです。
今後の方針として考えているのが、お客様の悩みに対して、提供できるソリューションの幅を広げること。CBCと繋がりがある幅広い企業とコラボレーションを通して、お客様へより幅広い提案ができるように。CBCのネットワークを生かした提案で、Career Bloomの可能性をより大きくしていく予定です。
そしてもうひとつ挑戦したいのが、「取り組みに、男性を巻き込むこと」なのだとか。
- 篠崎
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私たちが目指すタレントロスの解消は、会社にいる全員の働く環境を良くするために行うもの。男女が一丸となって進めていけるのが理想ですが、協力者には、課題意識がある女性の方が集まりやすい印象があります。そんな中でも、男性に『面白そうだな』と思わせられるような活動を展開していきたいです。
無意識の思い込みを超え、誰しもが働きやすい会社へ
こうしたCareer Bloomの取り組みは、他ならぬCBC社内にも変化をもたらしています。
きっかけは、Career Bloom立ち上げ間もない時期に行われた、篠崎とCBC女性社員とのディスカッションでした。篠崎が「キャリアに関する女性社員の気持ちを知りたい」と呼びかけ、入社10年未満の女性社員を中心に開催。社員の生の声を聞くために小倉も同席したところ、普段なら耳にできない本音を直接聞くことができたといいます。
参加者からあがったのは、「男性と女性の機会の差」や「任される仕事内容の違い」など日々の業務の中で感じていた、ちょっとした違和感。ある女性社員は「自分と似たことを考えている人が多いと知って驚いた」と、その様子を振り返ります。
実際に、「篠崎さんと一緒に仕事をするなかで、CBC社内にある『アンコンシャス・バイアス』に気付くようになった」と小倉はこれまでを振り返ります。
- 小倉
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『アンコンシャス・バイアス』とは、誰もが持っていると言われている『無意識の思い込み』のこと。例えば『体力的にハードな仕事だから、これは男性にお願いしよう』と、つい判断してしまうことが私にもあったのですが……。女性を軽視しているつもりはなくても、男性による配慮が、女性社員の挑戦機会を狭めてしまうのだと知りました。
今後Career Bloomは、女性へのキャリア支援に向け、今後さらに幅広いソリューション提供の準備を進めていく予定です。一方のCBC社内でも、Career Bloomの事業を通して得た気づきや学びを生かして、より皆が働きやすい環境づくりに取り組んでいきます。
- 篠崎
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サステナブルな働き方の実現に向けた取り組みは、企業にとっては『知らない世界に漕ぎ出す』ようなもの。答えがない課題への挑戦は、どんな企業にとっても怖いものです。そんなときに、怖さを乗り越えて挑戦するための、良い提案ができるようにしたい。Career Bloomとして、困難に挑む企業の良きパートナーなれたらと思っています。

文=スギモトアイ/取材・編集=伊藤 駿(ノオト)