News Release

製薬会社とCDMOをつなぐ「司令塔」に 行動力で現場を支えるバイオ医薬品事業

  • ホーム
  • ニュース
  • 製薬会社とCDMOをつなぐ「司令塔」に 行動力で現場を支えるバイオ医薬品事業
製薬会社とCDMOをつなぐ「司令塔」に 行動力で現場を支えるバイオ医薬品事業
目次

    近年、がんや自己免疫疾患などの治療で存在感を高めている「バイオ医薬品」。従来の医薬品とは製造の仕組みが大きく異なることから、その開発・製造に、高度な技術と設備が求められるのが大きな特徴です。

    そこで重要な役割を担うのが、製薬会社に代わって医薬品の開発・製造を手掛ける「CDMO」。CBCは世界各地のCDMOと連携し、製薬会社をクライアントとしたバイオ医薬品の製造事業を手掛けています。バイオ医薬品を取り巻くエコシステムのなかでCBCが果たす役割や事業の強み、今後の展望を紹介します。

    バイオ医薬品の台頭とCDMOが求められる理由

    • そもそもバイオ医薬品とは、どのような医薬品なのでしょうか。

    私たちが日常的に目にする医薬品の多くは、複数の化合物を組み合わせる「化学合成」によって作られています。一方バイオ医薬品は、生物の細胞を培養、そこから薬の原料を得るという、全く異なるプロセスで製造されます。
    バイオ医薬品の特徴は、化学合成では得られない「生物本来の力」を医療に活用できること。従来の化学合成による薬が「低分子医薬品」と呼ばれるのに対し、バイオ医薬品は「高分子医薬品」とも呼ばれています。
    このバイオ医薬品の製造において最大のボトルネックとなるのが、原料となる細胞の取り扱いが、極めて繊細である点です。

    バイオ医薬品の製造では、細胞という生き物を扱うため、その培養環境の水質や水圧、タンク内を撹拌するプロペラの形状や回転速度など、わずかな環境の違いが生産量や品質に大きな影響を与えてしまいます。そのため、創薬段階(ラボスケール)で培養に成功した細胞であっても、商用生産として大規模かつ安定的に同じ条件を再現するには、極めて高度な技術力とノウハウが求められるのです。

    こうした背景から近年大きな役割を担っているのが、「CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization=医薬品開発製造受託機関)」です。
    CDMOとは、いわば「医薬品製造の強力な外部パートナー」。製薬会社からの依頼を受け、医薬品の製造方法の開発から商用生産までを一貫して手掛けるのが、その主な役割です。かつては製造のみを請け負う「CMO(製造受託機関)」が主流でしたが、2010年頃から海外を中心に、開発までを事業領域としてカバーする「CDMO」が登場し始めました。

    現在、製薬会社がCDMOを活用する理由は、大きく3つあります。

    1つ目は、製薬会社の設備不足を補うため。日本の製薬会社は低分子医薬品の製造を得意としている一方で、バイオ医薬品製造に向けた追加の設備確保が難しいケースが少なくありません。そこで、必要な機能と最先端の技術を持つ外部のCDMOへ、創薬以降の工程を委託するという選択肢が生まれます。

    2つ目は、自社のリソースを「創薬」に集中させるため。開発から生産までをすべて自社でまかなうには、膨大な人材や資金が必要になります。製造や開発プロセスの一部を外部委託することで、限られたリソースを自社のコア業務である「新しい薬の研究開発」に注げるようになります。

    そして3つ目の理由が、経営的な「リスクヘッジ」。
    新薬候補が最終的に医薬品として認可を受ける確率は「およそ3万件に1件」とも言われ、試験段階でプロジェクトが頓挫してしまうケースがほとんど。新しいプロジェクトが立ち上がるたびに自社で専用の製造ラインを構築するのは、現実的でないでしょう。必要に合わせてCDMOに研究・開発を依頼することで、巨額の設備投資リスクを抑えられます。
    こうしたCDMOの真価が世界的に発揮されたのが、先の新型コロナウイルスによるパンデミックを受けた、ワクチンの開発と生産でした。

    CBCが出資するポーランドのCDMO・マビオン社は、米国のノババックス社から技術移転を受け、ワクチンの製造を担当しました。製薬会社が創薬に専念し、大量生産をCDMOが引き受ける。この連携があったからこそ、パンデミック下で求められた驚異的なスピードでのワクチン供給が実現しました。
    必要な薬を、必要なタイミングで世界へ届けるため、製薬会社と連携するCDMOの存在価値はかつてなく高まっているのです。

    商社は、技術とビジネスをつなぐ「プロジェクトの司令塔」

    製薬会社とCDMOが織りなす医薬品製造のプロセスにおいて、商社はどのような役割を果たしているのでしょうか。CBCでバイオ医薬品事業に携わる担当者は、その本質を「両者をつなぎ、プロジェクト全体をマネジメントすること」だと語ります。

    協働プロジェクトの第一歩となるのが、製薬会社のパートナーとなる、CDMO企業の選定です。品質の安定性はもちろん、コスト管理や開発スケジュールなど、無数の条件をクリアしたCDMOがパートナーとして選ばれます。しかし、それ以上に重視されるのが「CDMOの、パートナーとしての信頼性」なのだとか。

    製薬会社にとって、苦労の末に創り出した新薬候補は、いわば「自分の子ども」のようなもの。それを製造するためのレシピは、企業にとって何よりも貴重な機密情報になります。その取り扱いは極めて慎重で、外部パートナーへの情報開示を躊躇する製薬会社も少なくありません。大切な我が子を安心して預けられる強固なパートナーシップを築けるかどうかが、前提条件として求められるのです。

    パートナーが決まり製造工程に入ると、今度は医薬品の元となる細胞や原材料の調達、そして特殊な環境下での輸送手続きなどを進めなければいけません。輸出入や決済といった実務を、専門知識を有する商社が担当することで、コミュニケーションが円滑になり、製薬会社の負担は大幅に軽減されます。

    パートナーとなる海外のCDMOにとっても、商社の介在により大きなメリットを得られます。
    海外から見た日本の医薬品市場は、「閉鎖的で保守的」と言われることが少なくありません。日本のビジネス文化や商習慣を理解する商社が間に入ることで、海外CDMOにとっては、参入障壁の高い日本市場を開拓する大きな足がかりとなるのです。

    CBCの担当者は、こうした商社の働きを「技術とビジネスをつなぐ『司令塔』のような役割」と表現します。顧客である製薬会社、サプライヤーである海外のCDMO、さらには社内の法務や物流部門。技術とビジネス、どちらに偏ることもなく、あらゆる関係者の中央で周囲を俯瞰しながら、プロジェクト全体を動かしていく感覚があるのだとか。
    「自分のデスクが世界中の製薬会社とCDMOにつながり、司令塔としてプロジェクトを牽引すること」。これこそが、商社が提供できる最大の介在価値であり、この仕事の醍醐味でもあるのです。

    「一次情報とフットワーク」で顧客の代わりに汗をかく

    国内の製薬会社および海外のCDMOと連携したバイオ医薬品の製造事業において、CBCは大きく3つの強みを発揮しています。
    まずは、製造プロジェクトのパートナーとなるCDMOの「一次情報」を豊富に持っていること。CBCが製薬会社へ提案する海外CDMOは、そのすべての企業へ担当者が実際に足を運び、自らの目で視察を行っています。
    訪問時には現地のスタッフと直接対話し、設備の稼働状況や現場の雰囲気を細かく確認します。さらに、設備面については専門のコンサルタントを同行させて厳しくチェック。「現在の稼働状況に余裕はあるか」「日本企業とのビジネスに積極的かどうか」といったリアルな実情をヒアリングしています。
    インターネット上の情報やカタログスペックだけではわからない生の一次情報を持っているからこそ、製薬会社に対して絶対の自信を持って最適なパートナーを提案できるのです。

    次に、「メーカー機能と品質管理体制」を備えていることです。CBCは日本国内にGMP(医薬品の製造管理および品質管理の基準)に適合した倉庫や分析センターを構えており、海外製品に対しても万全の品質保証サービスを提供できる体制が整っています。

    他にもイタリアの低分子医薬品製造を手掛けるCDMOであるプロコス(PROCOS)社をグループに所有しており、単なる商社にとどまらず自社で製造機能を持っている点も大きな特徴です。他にも台湾のTBMC社やポーランドのマビオン(Mabion)社といった最先端のCDMOへの出資を通じ、強固なパートナーシップを構築しています。
    自社で製造機能を有し、最先端のCDMOと強い関わりを持つことは、「バイオ医薬品事業に本気で取り組む姿勢」を社外へ示す、強力なメッセージにもなっているとのこと。こうした連携から、世界の最新トレンドやトップ企業の動向といった「生きた情報」を獲得し、それを顧客への提案に活かすという好循環を生み出しているのです。

    最後が、商社ならではの「圧倒的なフットワーク」です。海外のCDMOを巻き込んだ医薬品製造プロジェクトでは、海を越えたトラブル対応や急な現場確認が必要になる場面が少なくありません。
    バイオ医薬品事業の担当者は、CBCの強みについて「『トラブル対応でヨーロッパへ飛んで、現場を確認してほしい』といった急な事態にも、即座に現地へ駆けつける機動力があること」と語ります。

    厳しい予算管理と手続きが求められる大企業では、これほど身軽で柔軟な対応をとることは難しいでしょう。顧客である製薬会社の代わりに汗をかき、フットワーク軽く現場へ出向くその泥臭い姿勢こそが、CBCへの確かな信頼を生み出しているのです。

    CBCによる介在価値で「まず選ばれる」存在になる

    今後のバイオ医薬品事業に向けて、CBCが中長期的な目標として掲げているのが、イタリアのPROCOS社に次ぐ、2社目の「100%自社資本によるバイオ医薬品の受託製造会社」を持つことです。
    これは、自社で数多くの医薬品製造プロジェクトを手掛け、より高度なノウハウを社内に蓄積しながら、新たな受託製造会社からさらなるビジネスチャンスの獲得へとつなげていくのが主な目的です。

    もう1つの目標が、「新しい治療手段(モダリティ)への展開」。現在CBCが手掛けるバイオ医薬品は「抗体医薬」が中心ですが、バイオ領域全般でより大きな存在感を示せるよう、将来的には細胞治療や遺伝子治療といった「再生医療」の領域への展開を計画しています。

    こうした事業拡大に向け土台となるのが、商社としての「介在価値」をさらに高めていくこと。CBC担当者は、今後の営業チームの目指す姿について「『とりあえずCBCに相談してみよう』と、お客様から最初に思ってもらえる存在になること」と語ります。実際に、一度はCDMOと直接契約を結ぼうとした製薬会社が、CBCの献身的なサポートや調整能力を再評価し、「やはり間に入って進めてほしい」と改めて仲介を打診してくるなど、商社としての真の介在価値が認められる場面も増えてきています。

    その担い手となる現場のメンバーについて、担当者は「会社の看板がなくなっても、どこでも通用する実力を持つ商社パーソンになってほしい」と、育成に込めるビジョンを語りました。個人と組織の双方で技術力とビジネススキルを高めながら、お客様へ「納得感」を届ける事業活動を、CBCはこれからも推進していきます。

    文=スギモトアイ/取材・編集=伊藤 駿(ノオト)

    Back to List